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自分でできる!遺言マニュアル

サイト管理人

あさぎ行政書士事務所
行政書士 森   圭

愛知県行政書士会 中央支部所属
会員番号 第5154号

1974年10月3日生

愛知県名古屋市中区金山一丁目2番13号 シェルコート金山502号


行政書士としての経験を生かし、みなさんのお手伝いができればと、このサイトを立ち上げました。
相続手続や遺言書作成の参考にしていただければ幸いです。


あさぎ行政書士事務所ホームページ

 
   遺言書があるとき

◆ 遺言書

 相続財産は本来、被相続人(亡くなられた方)が自由に処分しうる財産であり、遺言書は被相続人がその財産の処分の方法を示したものということができます。したがって、遺言書がある場合、遺産の分配は遺言書に従って行われます。遺言書の内容により特定の相続人の遺留分が侵害された場合でも、その遺言書は直ちに無効となるものではなく、遺留分減殺請求の対象となるに過ぎません。
 もっとも、相続人の全員が同意すれば、遺産分割協議によって遺言書の内容と異なる遺産分配をすることは可能です。
 遺言書を発見した相続人が遺言書を隠したり破棄したりすると、相続欠格者となり、相続人の資格を失います。


◆ 公正証書以外の遺言が見つかったとき
 被相続人の死後、公正証書以外の遺言が発見されたときは、遅滞なく家庭裁判所で検認の手続をとらなければなりません。検認とは家庭裁判所において、申立人と相続人の立ち会いの下に、遺言書の状態を確認し記録を残す手続をいいます。

 この手続は、検認の時点における遺言書の状態を記録することにより、相続を巡る紛争を予防する一定の効果がありますが、家庭裁判所が遺言書の真実性や内容の正当性を保障するものではありません。
 検認の申立を怠ったり、検認を経ずに遺言を執行した場合、5万円以下の過料に処せられることがあるので注意しましょう。もっとも検認の手続を怠った場合でも、その遺言書が無効になることはありません。

 作成日付の記載がないなど、一見して明らかに自筆証書遺言の要件を欠き無効な遺言書であっても、検認は受けなければなりません。


◆ 封印された遺言書が見つかったとき
 封印された遺言書が見つかった場合は、家庭裁判所以外で開封することが禁止されます。そのため、遺言書は開封しないまま検認手続時に家庭裁判所に持参し、他の相続人等の立ち会いの下に開封します。裁判所外で開封した場合、5万円以下の過料に処せられる場合がありますが、遺言書自体が無効になるわけではありません。
 ここでいう「封印」とは遺言書がのり付けされた封筒などに入れられ、封の部分に印鑑が押されているものを言います。したがって、単にのり付けされた封筒に入っているだけのものは、封印された遺言書ではありません。


◆ 遺言書が2通以上みつかったとき
 遺言は何通でも書くことができ、それぞれの遺言によって内容が抵触する場合は新しいものが有効となります。ただ、無効となった古い遺言書であっても、検認は受けなければなりませんので、見つかった遺言書はすべて検認手続をとるようにします。


◆ 公正証書遺言が見つかったとき
 公正証書遺言の場合は検認手続が不要ですので、すぐに遺言内容の執行に入ることができます。

 被相続人が公正証書遺言を残しているか否かは公証役場で確認することができます。平成元年以降に作成された公正証書遺言であれば、コンピューターで全国一律に管理されていますので、どこの公証役場からでも確認することができます。
 この確認はプライバシーの観点から相続人等の利害関係人しかできません。確認の際は最寄りの公証役場に、自己が遺言者の相続人であることを証明できる戸籍謄本と免許証などの身分証明書を持参します。
 遺言者の生存中は、たとえ利害関係人であっても、公証役場で公正証書遺言の有無を確認することはできません。

 公正証書遺言の存在が確認できたら、原本の閲覧または謄本を取ることによって、遺言の内容を確認することができます。公正証書遺言の閲覧又は謄本の請求は、遺言が作成された公証役場でのみすることができます。


◆ 検認の手続
 遺言の保管者または遺言を発見した相続人は、相続の開始を知った後、遅滞なく家庭裁判所へ検認の申立をしなければなりません(公正証書遺言を除く)。
 申立には申立書の他に、遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍類と相続人全員の戸籍謄本が必要です。
 申立がなされると、家庭裁判所から申立人及び相続人に検認期日の通知がなされます。申立人及び相続人は、この期日に家庭裁判所へ出向き、関係者立会いの下に検認手続が行われます。
 遺言書を保管している者は、このとき遺言書を持参します。申立人は申立書に押印したのと同じ印鑑を持参します。
 申立人以外の相続人の立会いは任意ですので、期日に裁判所へ行かない者があっても検認手続は行われます。相続人が検認に立ち会わなかったとしても、その相続人が不利に扱われるなどということは無く、また遺言の効力や相続の手続にも一切影響はありません。


遺言書検認の申立
提出先 相続を開始した地を管轄する家庭裁判所
申立書の種類 遺言書検認申立書
申立をする人 遺言の保管者又は遺言を発見した相続人
添付書類 遺言者の出生から死亡までのすべての戸籍謄本
相続人全員の戸籍謄本
(その他、必要な書類の提出を求められる場合があります)
費用 遺言書1通につき 収入印紙 800円
予納郵便切手(各裁判所により異なりますので事前に問い合わせてください)

 添付書類として提出した戸籍謄本は原則として返してもらえませんが、申立時に還付の手続をすれば返してもらえます。還付の手続は、原本還付申請書に記入し、戸籍類すべてのコピーとともに提出して行います。


 → 検認手続に関する裁判所のホームページ
 → 裁判所のホームページに掲載の検認申立書記載例(PDF)









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