サイト管理人 |
あさぎ行政書士事務所
行政書士 森 圭
愛知県行政書士会 中央支部所属
会員番号 第5154号
1974年10月3日生
愛知県名古屋市中区金山一丁目2番13号 シェルコート金山502号
行政書士としての経験を生かし、みなさんのお手伝いができればと、このサイトを立ち上げました。
相続手続や遺言書作成の参考にしていただければ幸いです。
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相続の放棄・承認 |
民法は相続人が相続をするのかしないのかの意思表示をするために3つの手続を用意しています。それが相続の放棄と承認です。承認には単純承認と限定承認があります。
◆ 単純承認
単純承認は相続財産を包括的にすべて相続する意思表示です。もっとも、相続人が限定承認も放棄もしなかった場合、自動的に単純承認したものとみなされますので、あえて単純承認の手続をとることはありません。
民法第921条では次の3つの事由があった時に単純承認があったものとみなしています(法定単純承認)。
1.相続人が、相続財産の全部又は一部を処分したとき
2.相続人が、相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に限定承認も放棄もしなかったとき
3.相続人が、限定承認又は放棄をした後でも、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、これを消費し、または悪意でこれを財産目録中に記載しなかったとき
相続財産が債務超過で相続を放棄したい場合でも、法定単純承認に当たる事由があると、単純承認したものとみなされ、相続の放棄ができなくなりますので注意してください。なお、法定単純承認が生じた後でも、遺産分割により特定の相続人に遺産のすべてを相続させることはできます。
◆ 限定承認
限定承認は相続財産のうち、プラスの財産とマイナスの財産を精算し、残った財産がプラスである場合に限ってこれを相続するという手続です。限定承認は相続財産がプラスになるかマイナスになるか不明な場合に有益ですが、手続が面倒であったり、相続財産の把握や清算事務が難しいことなど使い勝手が悪く、あまり利用されません。
限定承認をすることができるのは、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に限られます。ただし、相続財産の調査に時間がかかる場合などには、家庭裁判所に申し立てることにより3ヶ月の期間を伸張することができます。また、限定承認は相続人の全員が同時に行う必要があります。
◆ 放棄
◇ 相続放棄の申述
相続の放棄は遺産を相続しないとする意思表示です。相続の放棄をすると相続人はプラスの遺産もマイナスの遺産も一切相続することがなくなります。
相続放棄の意思表示は家庭裁判所に申述することによって行います(民法第938条)。また、放棄できる期間は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に限られます(民法第915条1項)。ただし、相続財産の調査に時間がかかる場合などには、家庭裁判所に申し立てることにより3ヶ月の期間を伸長することができます。
相続の放棄は限定承認と異なり、各相続人が単独で行います。相続人の一人がした相続の放棄は他の相続人には影響しません。
相続の放棄があった場合、代襲相続は生じません。例えば、被相続人Aに子Bと子Cがあり、子Bのみが相続を放棄した場合、子Bに子D(被相続人Aの孫) があったとしてもDは代襲相続はせず、子Cのみが相続人となります。
相続放棄の申述 |
提出先 |
相続を開始した地を管轄する家庭裁判所 |
作成書類 |
相続放棄申述書 |
申述人 |
相続人 |
添付書類 |
申述人の戸籍謄本(3ヶ月以内のもの)
被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
その他、申述人が相続人であることを証明するために必要な範囲の戸籍謄本
被相続人の住民票除票または戸籍附票
(その他、必要な書類の提出を求められる場合があります) |
費用 |
申述人1名につき 収入印紙 800円
予納郵便切手(各裁判所により異なりますので事前に問い合わせてください) |
→相続放棄に関する裁判所のホームページ
→裁判所のホームページに掲載の相続放棄申述書の記入例(PDF)
◇ 相続放棄の期間の伸張
相続放棄できる期間は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に限られます(民法第915条1項)。ただし、相続財産の調査に時間がかかる場合などには、家庭裁判所に申し立てることにより3ヶ月の期間を伸長することができます。
相続の承認・放棄の期間伸長審判申立書 |
提出先 |
相続を開始した地を管轄する家庭裁判所 |
作成書類 |
相続の承認・放棄の期間伸長審判申立書 |
申立人 |
利害関係人(相続人を含む) |
添付書類 |
申述人の戸籍謄本(3ヶ月以内のもの)
被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
その他、申述人が相続人であることを証明するために必要な範囲の戸籍謄本
被相続人の住民票除票または戸籍附票
(その他、必要な書類の提出を求められる場合があります) |
費用 |
期間伸張の対象となる相続人1名につき 収入印紙 800円
予納郵便切手(各裁判所により異なりますので事前に問い合わせてください) |
→相続の承認・放棄の期間伸長審判申立に関する裁判所のホームページ
→裁判所のホームページに掲載の相続の承認・放棄の期間伸長審判申立書の記入例(PDF)
◇ 相続放棄の有無を知りたいとき
相続人が相続の放棄をしているか否かを知りたいときは、利害関係人は家庭裁判所に相続放棄の有無を照会することができます。また、相続放棄があった場合は相続放棄の受理証明を請求することができます。
相続放棄の申述の有無の照会については家事事件手続法上の根拠が無いため、全国一律の様式がありません。そのため、手続については照会する各家庭裁判所で確認してください。
相続放棄申述受理証明の申請 |
申請先 |
申述を受理した家庭裁判所 |
作成書類 |
相続放棄申述受理証明申請書 |
申請人 |
当事者または利害関係を疎明した第三者 |
添付書類 |
被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
その他、申述人が相続人であることを証明するために必要な範囲の戸籍謄本
被相続人の住民票除票または戸籍附票
(以上は相続放棄受理通知書の写しを添付する場合は不要)
申請人の戸籍謄本(3ヶ月以内のもの)
利害関係の存在を証明する書面
(その他、必要な書類の提出を求められる場合があります) |
費用 |
1件1事項1通につき 収入印紙 150円 |
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